【No.44】「卒業記念のタイムカプセルに入れる手紙を書いて送ってください。」
書いたよ。
ただ信じるのみ、お前の可能性を。
ああ、会いたいなあ。
こんな時間まで起きていたら
だめだ、なおさら募る。
こういう時のために
酒があるのかもしれない。
春休みに飛行機代出すから東京に来いよって
提案した
返事がきた。
「実家に出入りすることが多いので
まだ都道府県をまたぐのは怖いです
○○も行きたがっているんだけどね〜」
如何しようも無い無力感を感じる。
彼女と彼女の家族が
生活の一部になって
これまで感じたことのない家族の幸せを
味わっている
彼女の息子と一緒に風呂に入る。
彼女の息子とかくれんぼをする。
彼女の息子と手を繋いで出かける。
その喜びの一方で
常に胸の中に大きくある、
あいつへの想い。
宿題を一緒にやったり、
学校の話を聞いたり、
自分の子供の頃
何が一番嬉しかったか、
親と一緒に何かをすることだった。
世のお父さんお母さん、
一緒に何かをする、
それだけでいい、
してあげてください。
やってあげられない親
やってもらえない子、
酒だ、酒。
吉幾三